インターネット上のコラムで「ワキガの予防」とか「ワキガの原因」という記事を見ました。
この見出しには大きな間違いがあります。
ワキガは予防できるものではありませんし、何かが原因でワキガになる、ということもありません。
「ワキガ」と「ワキ臭」は、混同されやすいですが全く違うものです。
「ワキガ」と「ワキ臭」は何が違う?
「ワキ臭」とは広い意味のワキのにおい
「ワキ臭」は、単なる「ワキのにおい」という意味です。
清潔にしていなかったり、不摂生が原因で、強くなることがありますし、生活習慣や健康状態によって変化します。
「ワキガ」とは特定の体質が原因のにおい
一方「ワキガ」とは、アポクリン腺という汗腺が原因で発生する、特有のツンとしたにおいです。
これは、ワキガ体質の人…つまりアポクリン腺のある人だけが持っている特有のにおいです。
アポクリン腺のない人は、どんなに汗をかいても、不摂生をしても、「ワキガ」臭が出ることはありません。
一方、ワキガ体質の人は清潔にしていても、食生活に気をつけても、汗をかけばワキガ臭が出ます。
でもワキガは特別じゃない
「ワキガ体質」は生まれつきの遺伝によるものですから、手術をしない限り変えることは出来ません。
しかしワキガ体質は特別なものではありません。
世界的に見ると、白人は80%以上、黒人はほぼ100%の人がワキガ体質です。
しかし日本人は世界的にも非常に特殊な民族で、ワキガではない人が90%を占めます。
体質は、変えることが出来ない個性ですから、深く悩むのではなく、上手に付き合っていくことが大切です。
ワキガで悩む人へ
ワキガかどうか調べる方法
ワキガ体質かどうかは、耳アカの種類である程度判別することが出来ます。
- 耳アカが乾いている人はワキガ体質ではありません。
- 耳アカが湿っている人はワキガ体質の可能性があります。
体臭専門の「五味クリニック(東京・大阪)」では、皮膚の一部を切り取ってアポクリン腺の有無を調べることで、ワキガ体質かどうかを判断することが出来ます。
ワキガの臭いの原因は?
では、ワキガの臭いの原因は何なのでしょう?
ワキガのにおいは汗をかいた時に発生します。
もう少し厳密に言うと、汗をかいたばかりの時、においはありません。
汗をかいた後、汗の成分が、皮膚表面の細菌と反応してにおいを発生します。
そして、汗の水分が蒸発するとき、においを蒸気に乗せて拡散するのです。
つまり、汗は元々におわないのに、しばらく置いておくと、においに変化するのです。
ワキガの臭いを抑える3つの方法
原因を抑えれば、臭いを軽減することが出来ます。
1:ワキに汗をかいたら、すぐに拭く
まず1番は、汗をかいたまま放っておかないことです。
こまめに汗を拭けば、汗がにおいに変わる前に抑えることが出来ます。
2:殺菌して細菌を抑える(頻度に注意)
殺菌成分のあるクリームやロールオンタイプのデオドラント剤で、ワキを殺菌できます。
そうすれば、細菌の活動によるにおいの発生を抑えることが期待できます。
しかし、皮膚上には、肌を健康に保つために必要な細菌もいますから、それらを殺菌することで、肌がボロボロになる恐れがあります。
デオドラント剤は頻繁に使い過ぎないように気をつけましょう。
3:汗が出るのを抑える(頻度に注意)
汗を抑えることも、ニオイ予防には有効です。
制汗剤の多くは、細かい粉末で汗腺をふさいで汗を抑えるものや、化学的な刺激で汗腺を収縮させて汗を抑えるものがあります。
サラサラして気持ちいいのですが、汗の大事な機能も損ねることになるので、頻繁に使い過ぎないように気をつけましょう。