2008年秋、とある自治体の住宅供給公社から電話がきた。

「火災現場の臭いをミラクリーンで消せますか?」

消臭剤ミラクリーンRはこれまで多くの火事場で、消臭剤として使われているらしいけど、私自身は火事の現場の消臭を体験したことがなかったので、現場に立ち会うことにした。

 

火事の現場の様子

SANY0392関東の某市営住宅。火災が発生したのは約1年前。
ニオイがひどいために、そのまま放置されていた現場に案内された。

 

50平米ほどの一室。全焼したらしい。
壁は全部なくなってるけど、たぶん2DKくらい。

 

玄関を開けると、色んなものが焼け焦げた臭い。
これでは人は住めない。

 

30分くらいその場にいても、鼻が慣れることはないくらい、強い臭い。

 

壁紙は真っ黒に焦げて、配管も全て焼け落ちていた。
被害は一室のみで、周囲に延焼はなかったのだけど、近隣の人は臭いでとても困っている様子。

 

消臭作業の前に問題点が発生

私はいつも言っているのだけど、

 

消臭の基本は「臭いの元を取り除く」こと

 

どんなに消臭剤がすぐれてても、臭いの発生源はできるかぎり取り除くべきだ。

 

この火事現場の場合、臭いの発生源は・・・

壁に残っている「真っ黒に焦げた壁紙」

 

指でも簡単にペラペラとはがれ落ちる状態だったので、

「消臭作業の前に、この壁紙を剥がしてもらえませんか?」

 

とお願いしたところ、
焦げた部分はそのままにして、壁紙の下地処理(シーラー塗布)を行なう予定とのこと・・・

 

そんな無茶な・・・

 

消臭作業開始

と思いつつ、そのまま作業開始。

 

正直、本当に消せるかどうかあまり自信がなかったけど
天井と床にまんべんなくスプレー。
2リットルちょっと(約2万円分)使った。

 

ミラクリーンは、空間に散布する消臭剤じゃない。

壁や床に消臭成分が留まって、じわじわと臭いを消し続けてくれます。

 

消臭作業が終わった直後は、臭いはほとんど変わらない。
消臭効果が現れるのは、約1週間後

 

その間は、できる限り空気を入れ替えた方がいい。

・・・これも消臭の基本

 

しかし、近隣の住民が迷惑をするので、窓を空けることが出来ないらしい。

 

部屋はしっかり締め切って、
さらに、ガムテープでめばりをして、部屋を後にした。

 

消臭の結果は?

 

約1週間後、火災現場に行ってみてビックリ。

玄関を開けると、臭いは確実に減ってる。

 

住宅供給公社の人からも「軽くなりましたねぇ」と言われ、消臭効果を実感してもらえた様子。

 

かなり厳しい条件だったけど、1週間でこれだけ軽減できていれば、これから日ごとに臭いは軽くなる。

 

また、壁紙(クロス)を貼る前に、焦げた部分は剥がしてもらえることになった。

そりゃそうだよね。

 

この日は、作業をせずに終了。

壁紙を貼る時点でまだニオイが気になるようだったら、もう一度部屋全体にミラクリーンをスプレーしてもらうことになった。

 

後日、依頼者が臭いを確認したところ、ほとんど気にならなくなったとのこと。

 

火事場の消臭にはミラクリーンR、もし困ったときは思い出してください。